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企業IR/CSR情報覚書

企業のIRやCSRで思ったこと気になったことをまとめていきます

統合報告レポート「三菱重工 MHIレポート2016」

昨年ためにためてしっかりしたレポートを出してきた三菱重工。昨年は人が表紙だったところだけれど、今年はバッチリ機械にフューチャーしている。

会長あいさつと簡単な沿革。その次のページが沿革と成長を切り分けて成長性について4ページに拡大してきた。見せ方はとてもおもしろいけれど、ここまで風呂敷を広げることが良いかは賛否がありそう。

社長メッセージは本文のあとに細かい説明。取締役はおそらく会議室での役員勢揃いで11名。CFO、CTOメッセージがそれぞれ2見開き分。その後の見開きがESGについて。これはちょっと意外だった。ガバナンス、グローバルでの人材活用、メガトレンドについて。見出しこそメガトレンドだけど、グローバルニーズなどについてだったり、ステークホルダーへの考え方みたいなところ。社外からの目はこういったところでも光らせてますよ、というアピールは最近のトレンドのよう。社外取締役もしかり。

見やすい財務・非財務ハイライトは昨年と同様の立て付け。セグメント別概況が2見開き。最初の見開きでイメージとビジネスモデル、その次の見開きで状況と進捗。下段にはセグメントごとの売上高や従業員数、研究開発費、受注高、設備投資費、地域別での売上高などを円グラフで記載。要素はとてもわかりやすい。が、細かいな。情報開示という点ではやはり網羅的にならざるをえないのか。各セグメントは2ページずつ。最初にセグメントトップとそのセグメントのSWOT分析、事業環境とトピックス。

その後は社外取締役の鼎談(3人)。CEOと社外取締役2名。片方は女性。取締役会の印象や透明性について、人材や社外取締役に求められることなど。そのあとはガバナンス、組織図が大きく、各部の説明がある。わかりやすいとは思うけど、ここまで読まれるだろうか。役員報酬について、人材への考え方について。最後に技術基盤と知財、研究開発について。会社情報で締め。トータル58ページ。財務諸表などはなし。

よくよく見ると、シンプルさは変わらないし、まとまってはいるのだけれど、なんか今年のデザインはキレがないような気がするのは考え過ぎだろうか。

統合報告書レポ「堀場製作所 HORIBAレポート2015」

方々で名前を聞く堀場製作所の統合報告書。「おもしろおかしく」というのをエンタメ系でない製作企業がかかげているというのがすでにおもしろい。

ことしのメッセージは「Step AHEAD」一歩前へということが最初の見開きで入る。この色使いと矢印いいなぁ。そして沿革と理念。今期のレポートをいくつか見たけど、やっぱり最初には沿革がくるのが今のトレンドになってる気がする。沿革とは結局のところ今迄の成長の軌跡であり、何を強みにして価値を生み出してきたのかの証でもあるからだと思う。

社長メッセージには一般的な経営の話にとどまらず、ステークホルダーとの対話も重視することがかかげられて、なんと役員の顔写真がここに載っている。やはり経営陣の顔が見える、出せるっていうことはちゃんと正直にやってますよというアピールだと思う。

今年から始まる中計のページは4ページで振り返り、具体的な数値、市場のポートフォリオなどわかりやすい記事。さらに特集的にM&Aで子会社化したMIRA社とのシナジーを載せて成長性と共に昨年やってきたことをしっかりと載せている。

CFOメッセージが見入開きで入って、その後にセグメント情報。事業別と地域別が分かれてグラフ化されており、売り上げ構成比が内容と地域の両方の面から見える。

ESGパートとして「見えない価値」を組織、人財、技術、客の面からフィーチャーしている。堀場製作所を支えるものはこういうもの、とはっきり認識して記事にできている。うらやましい。

コーポレートガバナンスは体制と監査役会設置会社の内容、株主との対話に対する考え方などがが記載されており、CGコードの内容だけにとどまらない。役員のリストは社長メッセージで写真は出ているのでリストだけ。社外取締役を選任した旨記載があり、コメント的なものはなし。財務パートもグラフと解説で今期の財務に関する内容を伝えている。最後に社是で「おもしろおかしいく」で締める。

一つ気になったのは非財務情報はたくさん掲載されているけど、ハイライトとしてはまとまっていなかったこと。載せることはもはや必須ではあるけどもそれがけして財務とそこまで密接に関係していない以上、同時同列で載せることに意味はないということなんだろうか。ある意味合理的。 

 

統合報告書レポ「資生堂アニュアルレポート 2015年12月期」

2013年から統合報告書としてIIRCやG4などのガイドラインに則っての資料作成を開始した資生堂。広告のような特徴的で力強いイメージ写真が巻頭にならんでパンフレットのような見せ方はビューティー系の企業ならではといえる。
社長メッセージもその流れで見開きで入っており、ちょっと離れて戦略ということでイメージと実務が分かれて掲載されているのも印象に残りやすい。どうしても社長メッセージは場所をとってひとくくりで語ってしまうことが多く、長いと読まれないというありがちなパターンも回避することができそう。

 強みの紹介も広告のようなビジュアルの写真と数字で見やすい。強みからの戦略解説で社長があらためて真ん中に特徴的なメッセージを配置することで印象にも残りやすくしている。直後にCFOメッセージで財務的なアピール。国際的なガバナンス体制の確立といった流れになる。資生堂はセグメントが世界地域別な分け方と、ブランド別(コンシューマ向けなのかプロ向けなのか)といったところでのマトリクスを組んでおり、取締役や担当役員にその現地の人間を配置することで、世界的なガバナンスと謳っているもよう。ここまで国内の企業でわかりやすく外人を担当役員に据えてるところは珍しいのではないだろか。

それから価値創造という流れで商品開発や調達といったレポート。さらに今迄のレポートではあまりなかったマーケティングにきっちり力を入れているアピール。この辺りはブランドイメージと戦略ががっちり絡んでる所以でもあると思われる。そこから人材、CSR。この辺りの取り組みには珍しさはあまりなさそう。きっちりやっているイメージ。

ガバナンス記事ではまず役員一覧。見開き上段を使って12人の取締役が並ぶ。下段はリストと経歴。ガバナンスでも社長がコメントしている。社外取締役のコメントも1/2で掲載。役員報酬、コンプライアンス、体制図といった流れ。

財務情報かと思いきや、基本情報ということでハイライトなどの前に市場情報などが載っている。それから財務、非財務ハイライトになるが、区分が面白くて、財務価値の推移、株主価値の推移、人材価値・社会価値の推移という表現を使っている。内容自体は素晴らしいが、その情報の内容が持つ意味をしっかり考えて、理解した上で表現できているところが一歩進んだレポートとして感じられるポイントのように思える。

 

統合報告書レポ 「千趣会 統合報告書2016」

通販大手の千趣会の初になる統合報告書。BtoC企業らしい見せ方のうまさはカタログなどの実績が社内にもちゃんとあることがわかる。どうすれば見てもらえるのか、見やすいのかが配慮されている。

巻頭は沿革と成長、それからビジネスモデル。ビジネスモデルはベースのところを見せつつ、実績が同じ要素が同じポジションにちゃんと入って、最終的な着地点まで入ってる。社長メッセージもぱっと見のわかりやすさもあって見やすい。

会社の強みであるブランドをおそらく広告からだと思われる写真を豊富につかって紹介している。この辺りがカタログのノウハウがそのまま出てるところだと思う。そこからセグメント概況へ。横でセグメントを分けて、情報を縦に分ける方式。4t以上セグメントが分かれていると、このくらいの方が見やすいと思っている。そこからセグメントの詳細へ。8割が通販事業なんだね。ふむふむ。

ガバナンスパートは役員一覧から。取締役が勢ぞろいで、社外取締役は個別のパターン。名前の下に経歴。報酬については載ってないのか。社外取締役のコメントは2人で2/3。リスクのところでコラム的に子会社の不正アクセスによる情報漏えいの記事がある。ちゃんと書いてるところが評価されるところか。

CSRダイバーシティを中心に厚め。女性が主要ターゲットな会社のだけあって、社内にも女性が多いんだろうな。CSR全体像というのも、環境に対するもの以外ではあまり目にしたことがないところ。目の付け所というか、しっかりしてる印象。

財務パートは一通り載っている一般的なそれ。

統合報告書レポ「曙レポート2016」

曙ブレーキ株式会社の統合報告書。Googleアラートで引っかかってきたので確認した次第。


統合報告書としてIIRCの「統合思考」に基づいて記載されている旨が明記されており、要素や見せ方にも工夫があってとても見やすい。
沿革と今年がそれぞれ見開きで入っており、実績が人目でわかる仕様がよさそう。
財務非財務ハイライトは表がメインで下段にグラフ。個人的にはグラフが上でもよいと考えているものの投資家目線ではこちらのほうがメジャーなのかもしれない。
価値創造モデルも理念をスタートとして、将来への展望につなげている。6つの資本についてはふれていないものの、企業のビジネスモデルはよくわかる見せ方がされている。それぞれのブレーキがどこで使われているかのあとに、そのパーツが世界のどこで生産されているかにつなげているのも面白い。
CSRについては標準的な記載と思われる。必要十分。このくらいの潔さは必要かもしれない。
ガバナンスもしかり。ただ。役員一覧が小さいなと思ってみていたら、社外取締役にどこかで見た顔が。三菱商事にもいたと思って検索したら、伊藤レポートの伊藤 邦雄さんだった。う~ん、そりゃレポートも一筋縄で終わらせるものにはならんわな。
http://www.akebono-brake.com/csr_environment/report/

統合報告書レポ「アサヒグループホールディングス 統合報告書2015」

昨年の日経アニュアルレポートアワードでトップを飾ったアサヒGHの統合報告書も2016年版がアップ。昨年の受賞に際しては「価値創造プロセスの見せ方に良いところがあり〜」とあったものの、今年はどうだろうか。

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統合報告書レポ「日本郵船 NYKレポート」

個人的に注目する冊子。日本郵船の2016年統合報告書がアップされている。

今年はイラストを多用してイメージを変えてきた印象。コンシューマをターゲットにしてきたことは確か。ぱっと見の印象もよく、3段組を自由に使っているのはよく考えて作っている。イラストやようごの説明が近いところにあるので、多少難解な用語も突っかからないで読める。強みの説明と今期の取り組みもグラフィカルでわかりやすい。

社外取締役のインタビューが座談会形式。社長と社外取締役2人。社長メッセージ、CFOメッセージ、役員一覧は個別写真で経歴を併記するタイプ。しれっと役員の人数推移なども載っているのがアピールポイントにもなりそう。あとにCCO(チーフコンプライアンスオフィサー)までコメントがある。これをこのタイミングで出してこれるのは凄いなぁ。

http://www.nyk.com/ir/library/nyk/